近年のデジタルマーケティングの発展により、ウェブサイトやアプリへのアクセス解析ツールの重要性が高まっています。中でも、Googleアナリティクス(GA)は広く利用されており、その最新バージョンであるGA4には注目が集まっています。本ブログでは、GA4の概要、特徴、従来のユニバーサルアナリティクスとの違い、導入メリットなどについて詳しく解説します。デジタルマーケターや企業の皆様に、GA4の活用方法や重要性を理解していただけるよう、わかりやすく解説していきます。
1. GA4(Google アナリティクス 4)とは何か
GA4(Googleアナリティクス4)とは、Googleが提供する最新バージョンのアクセス解析ツールであり、Googleアナリティクスの次世代バージョンです。GA4は従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)とは機能が大きく異なるため、その特徴やUAとの違いを理解することが重要です。
GA4とは何か
GA4は、Googleが2020年10月にリリースした次世代アナリティクス「Google analytics 4(Googleアナリティクス4)」の略称です。それまでのバージョンである「Google analytics 3(Googleアナリティクス3)」またはUA(ユニバーサルアナリティクス)は、2014年4月にリリースされ、6年以上にわたってGoogleアナリティクスの標準プロパティとして使用されてきました。
GA4とUAの違い
GA4はUAと比較して機能が大幅にバージョンアップされ、実質的には別のアクセス解析ツールとして扱えます。以下にGA4とUAの主な違いをまとめます。
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測定手法
– UAではユーザー情報の追跡にCookieが使用されていましたが、GA4ではCookieに依存せずにユーザーを追跡することができます。
– デバイスやブラウザの違いによるデータの欠落を改善し、ユーザーの行動をより正確に把握することができます。 -
データの取り扱い
– UAではサンプリングされたデータが表示されましたが、GA4では全てのデータを表示することが可能です。
– イベントとパラメータのプレースホルダが導入されたため、独自のイベントやパラメータを柔軟に追加することができます。 -
解析のレポート
– UAでは標準レポートが提供されていましたが、GA4ではカスタムレポートを作成することができます。
– セッションに変わってイベントが重要なデータとなり、より詳細な解析が可能となりました。
GA4の必要性
GA4の導入には、ユーザーのライフスタイルの変化と個人情報・プライバシー保護の規制強化が背景にあります。
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ユーザーのライフスタイルの変化
– スマホやタブレットの普及により、さまざまなデバイスからウェブサイトへのアクセスが増えました。
– ウェブサイトへの流入経路も、ブラウザだけでなくアプリを経由したものが増えています。
– GA4は、デバイスや流入経路に依存せずにユーザー行動を網羅的に解析できるツールとして必要性が高まっています。 -
個人情報・プライバシー保護の規制強化
– 欧州の一般データ保護規則(GDPR)や米国カリフォルニア州のプライバシー権法(CPRA)など、国際的な規制が厳しくなるにつれ、個人情報やプライバシーの保護への要求も高まっています。
– GA4は、ユーザーのプライバシーを保護しながら解析できる仕組みとなっており、これらの規制に適合するために必要なツールとなっています。
以上がGA4(Googleアナリティクス4)とは何かの説明です。次に、GA4の特徴と従来のユニバーサルアナリティクスとの違いについて解説します。
2. GA4の特徴と従来のユニバーサルアナリティクスとの違い
GA4は従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と比較して、いくつかの特徴があります。以下に、GA4の特徴と従来のUAとの違いをまとめました。
ウェブとアプリの横断的な計測可能性
- GA4では、ウェブサイトとアプリの両方を訪問したユーザーを正確に認識することができます。
- これにより、ウェブ上だけでなく、アプリを利用しているユーザーの行動も詳細に分析することが可能です。
Googleの機械学習を利用した予測機能の追加
- GA4では、Googleの機械学習モデルを活用した「予測指標」が利用できます。
- 過去28日間の操作を基に、「購入の可能性」や「予測収益」といった指標を確認することができます。
BigQueryへのデータエクスポートが無償
- GA4では、データを効果的に活用するために、BigQueryへのデータエクスポートが無料で提供されています。
- ビッグデータを製品開発やビジネス戦略に活かすことができます。
GDPRやCCPAへの準拠
- GA4は、EUの一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA)に完全に準拠しています。
- 個人情報の取り扱いに関して、より厳格な規制に対応しています。
これらの特徴により、GA4は従来のUAに比べてより進化したデータ解析が可能です。ウェブとアプリのデータを総合的に分析し、マーケティング戦略の最適化やビジネス成果の向上に役立てることができます。
3. GA4導入のメリット
GA4の導入にはさまざまなメリットがあります。以下では、いくつかのGA4導入のメリットを紹介します。
3.1 データ計測の設定が容易
GA4では、ウェブサイトやアプリのデータ計測を簡単に設定することができます。拡張計測機能を使うことで、スクロール数や離脱クリック、サイト内検索、動画エンゲージメント、ファイルのダウンロードなど、さまざまなデータを簡単に収集することができます。また、初めて使用する人でもスイッチのON/OFFで設定を行うことができるため、利用が容易です。
3.2 イベントごとの分析が容易
GA4を活用することで、ウェブサイトやアプリで発生したイベントごとの分析が簡単に行えます。イベントが発生した場所やユーザーの行動、使用したデバイスなど、詳細な情報が各イベントごとに収集され、分類されて表示されます。また、イベント同士の比較も容易に行うことができます。
3.3 BigQueryとの連携が可能
GA4では、ウェブサイトやアプリのデータを簡単にBigQueryと連携することができます。BigQueryは、データを蓄積して分析するためのシステムです。無料でのBigQuery連携が可能なため、データをBIツールに出力したり、CRMと統合するなど、さまざまな活用ができます。
3.4 機械学習の活用が可能
GA4では、機械学習の機能を活用することができます。ユーザーの行動を測定することで将来の行動予測を行うことができます。例えば、購入の可能性や離脱の可能性、予測収益などを導き出すことができます。この機能を利用するためには一定期間やリピーター人数のデータサンプルが必要ですが、早期に活用してデータサンプルを蓄積し、予測の精度や指標の活用方法などを確認することができます。
以上が、GA4導入のメリットの一部です。GA4の導入によって、データ計測の設定が容易になり、イベントの分析も簡単に行えます。また、無料でBigQueryとの連携が可能であり、機械学習の機能も利用することができます。GA4を導入することで、効果的なデータ分析とビジネスの成果向上を実現しましょう。
4. GA4の導入手順
4.1 GA4プロパティの作成
- Googleアナリティクスの公式ページにアクセスし、新しいアカウントを作成します。
- アカウント作成後、プロパティの詳細ページに移動し、「プロパティ名」「タイムゾーン」「通貨」を入力・選択します。
- ビジネスに関連する詳細情報を選択し、作成ボタンをクリックします。
4.2 データストリームの作成
- プロパティの設定が完了したら、データストリームの設定に移ります。
- 「プロパティ>データストリーム」と画面を移動し、分析対象のプラットフォーム(ウェブ、Androidアプリ、iOSアプリ)を選択します。
- 「ウェブサイトのURL」と「ストリーム名」を入力し、「ストリームを作成」をクリックします。
4.3 GA4タグ(トラッキングコード)の設定
- GA4タグの設定方法は、Googleタグマネージャー(GTM)を使用する方法とHTMLに直接タグを埋め込む方法の2種類があります。
- Googleタグマネージャーを使用する場合は、管理画面の「データストリーム」から測定IDをコピーし、タグ設定ページで「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択して測定IDを貼り付けます。さらに、トリガーのタイプを「初期化」で選択し、タグ名を設定して保存・公開します。
- HTMLに直接タグを埋め込む場合は、GA4プロパティで「管理>データストリーム」を開き、タグ設定手順のグローバルサイトタグ(gtag.js)をコピーし、アクセス解析をしたいページのタグ内に貼り付けます。
以上がGA4の基本的な導入手順です。導入後は、プロパティ・データストリームの設定やイベント・コンバージョンの設定を行い、GA4を効果的に活用することができます。ただし、導入手順は一例であり、お客様の独自の状況や要件に合わせて調整する必要があります。
5. GA4の設定と使い方
GA4の設定と使い方について詳しく解説します。GA4は従来のユニバーサルアナリティクスとは異なる新しいインターフェースやレポートを提供しています。以下では、特定の指標の確認方法、探索レポートの作成方法、イベントやコンバージョンの設定方法について詳しく説明します。
5.1 特定の指標を確認する方法
GA4では、さまざまな指標を確認することができます。例えば、表示回数(ページビュー)、ユーザー数、ユーザー属性、セッションなどが含まれます。これらの指標は、GA4の「レポート」ページから確認できます。一部の指標は、「探索」レポートを作成する必要があります。
5.2 探索レポートを作成する方法
GA4では、新たに追加された「探索」メニューを使用して、目的に応じたレポートを作成することができます。探索では、表示したい指標を組み合わせたり、グラフを追加したりすることができます。探索機能を活用することで、GA4のデータ分析能力を最大限に引き出すことができます。
5.3 イベントやコンバージョンを設定する方法
GA4では、ユーザーの行動すべてが「イベント」として集計されます。自社のウェブサイトやアプリに合わせたカスタムイベントを設定することが重要です。さらに、イベントに関連付けられたコンバージョンを設定することも可能です。たとえば、「ページに1分間滞在する」といったイベントをコンバージョンとして設定することができます。
5.4 その他の設定
GA4では、データ保持期間の変更やIPアドレスの除外設定、クロスドメインの計測設定、Googleシグナルの設定など、さまざまな設定が可能です。これらの設定を行うことで、より正確なデータを計測し、GA4をより使いやすくすることができます。
まとめると、GA4の設定と使い方は以下のようになります。
- 特定の指標を確認する方法
- 探索レポートを作成する方法
- イベントやコンバージョンを設定する方法
- その他の設定を行う
GA4は新しいツールですが、これらの設定や使い方をマスターすることで、より効果的にGA4を活用することができます。ぜひ、実際に試してみてください。
まとめ
GA4は新しいアクセス解析ツールとして、これまでのユニバーサルアナリティクスとは大きく異なる機能を備えています。ユーザーの行動を正確に把握し、データの活用範囲を広げることができるGAア4の導入は、より効果的なマーケティング施策の立案や、ビジネス成果の向上につながります。設定方法や使い方を理解し、GA4の機能を最大限活用することで、お客様のウェブサイトやアプリの分析、改善に役立てていただけるでしょう。GA4の導入を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
よくある質問
GA4とはどのようなツールですか?
GA4(Google Analytics 4)は、Googleが提供する最新バージョンのウェブ解析ツールです。従来のユニバーサルアナリティクスと比較して、測定手法やデータの取り扱い、解析のレポートなどが大幅に進化しており、ウェブサイトとアプリの両方を横断的に分析することができます。また、Googleの機械学習を活用した予測機能や、GDPRやCCPAへの準拠など、新しい機能が追加されています。
GA4を導入するメリットは何ですか?
GA4の導入には、データ計測の設定が容易、イベントごとの分析が簡単、BigQueryとの連携が無償、機械学習の機能が活用できるといったメリットがあります。これにより、効果的なデータ分析とビジネスの成果向上が期待できます。
GA4の導入手順は何ですか?
GA4の導入手順は、1) GA4プロパティの作成、2) データストリームの作成、3) GA4タグ(トラッキングコード)の設定の3つの主な手順から成ります。Googleタグマネージャーを使用する方法と、HTMLに直接タグを埋め込む方法の2つの設定方法があります。
GA4の設定と使い方はどのようなものですか?
GA4では、特定の指標の確認、探索レポートの作成、イベントやコンバージョンの設定など、さまざまな設定と使い方が可能です。これらの設定を行うことで、より正確なデータを計測し、GA4をより使いやすくすることができます。